極東ロシアの森には、数多くの野生が息づいています。

野生生物の生息環境である森が失われることは、人にとっても大切な豊かな森が失われてゆくことでもあります。森とそこに生きる生きものたちを守る取り組みが必要とされています。

©Hartmut Jungius / WWF-Canon

極東ロシアの沿海州には、広葉樹と針葉樹が交わり、四季おりおりに美しい姿を見せる豊かな森が広がっています。人や野生動物たちに、多くの恵みを与え続けてきたこの森には、その生態系の頂点に立つアムールヒョウをはじめ、シマリスやクマ、シカやイノシシなど多様な野生動物が息づいています。シマリスが埋めたまつぼっくりの実から新たな木が芽生え、若木をシカが食べ、そのシカをアムールヒョウが食べる…こうした多様ないのちのつながりによって、森に豊かさが保たれています。

森が減っていけば、どんぐりやまつぼっくりなど木の実を食べる草食動物が減り、更に肉食動物の減少にもつながります。生きていくための森も、食べ物も減ってしまったアムールヒョウは、すでに30頭あまりが生息するのみとなってしまいました。アムールヒョウの危機は、豊かな森の危機そのものです。
地球上から多様性豊かな森が失われていくことは、人にとっても、その恵みが失われてゆくことでもあるのです。

ロシア沿海州の生物・自然環境

日本海を隔てて北海道と隣り合う、極東ロシアの沿海州。

極東ロシアの町ウラジオストックを中心に、200万人あまりが住むこの沿海州(プリモルスキー州)は、16万5,000平方キロ、北海道の倍近い面積を誇り、そのうちの実に7割以上を森林が占めています。

今、違法伐採や密猟などによって、この森の豊かさが急速に失われつつあります。極東ロシアから木材を輸入している日本も、この現状に無関係とはいえません。1本1本の木には、たくさんの動物たちが関わっていることを、どうぞ知ってください。